こんにちは。
現役医療通訳士のSuzyです。
今回は、医療通訳の通訳方法である
「逐次通訳」のスキルを上げる
トレーニング方法の一つ、
「クイックレスポンス」について
お伝えします。
クイックレスポンスとは、
日本語と英語を対にして表現を覚える
暗記のトレーニングです。
実はこのトレーニング、めちゃめちゃ重要です!
これをしっかりやるかやらないかで、
合否を分けると言っていいくらい
(個人の意見 笑)
なので、クイックレスポンスは絶対に行ってください!
この記事を読んでもらうと、
通訳トレーニング意欲に火がつくと思います。
2次試験に不安を持っている方の
参考になれば嬉しいです。
では、解説していきますね♪
クイックレスポンスの目的・メリット
主な目的・メリットは、
- 定型文を暗記し訳出のストレスを減らすため
- パッと言える反応力・瞬発力を身につけるため
- 音源を自作すると発音矯正になる
- 単語や短い文章を覚えるだけなので(訳さないので)短時間で気軽に練習できる
です。
この4つをまるっと効率的に行う
おすすめの方法は、
自分でクイックレスポンスの教材(音源)を作成することです。
作成は簡単です!
クイックレスポンスに使いたい単語や
定型文を読み上げて、それをスマホの
ボイスレコーダーアプリ(ボイスメモなど)
に録音するだけ。
教材を自作することで、
正確に綺麗に発音しようと意識するので、
発音矯正になります。
また、それを繰り返し聞くことで、
自分の発音の癖を客観的に聞けますよね。
最初は自分の声に慣れないかも
しれませんが、ぜひあなただけの教材を
自由にカスタマイズして
作ってみてください。
クイックレスポンスは、
訳出するトレーニングではありません。
暗記のためのトレーニングです。
なので、訳出のストレスなく練習できます。
しかも、スマホに自作音源があることで
気軽にいつでもすぐトレーニングできます。
作り方はこの次でしっかりお伝えしますね。
クイックレスポンス教材の作り方
- 覚えたい単語や表現をピックアップ(自分の単語帳、医療英会話の本、厚生労働省のテキスト「巻末:単語集」、日英併記検査説明書などを活用)
- スマホのボイスレコーダーアプリ(ボイスメモなど)を準備
- 日本語の単語や表現を読み上げる(なるべく一問一答にする)
- 日本語の後に2、3秒(再生時に答えを言う間)を置いて、英語の対訳を言う
- 英語も同じように録音する
- 音源にタイトルをつける
ちなみに、私のボイスメモのタイトルはこんな感じです↓
クイックレスポンスに使える
医療英会話の本をご紹介しますね。
『やさしい英語で外来診療〜聞きもらしのない問診のコツ』
診察室での会話がしっかり載っているので、
クイックレスポンスの教材として使えます。
どうしてその検査をするのか、
どうしてその質問をするのか、
とうい疑問が解決する一冊。
診療行為や質問の意図が分かっていれば、
通訳を行う際に次のアクションを
予想できるので、とても役に立ちます。
『高山赤十字病院 編 医療現場ですぐに役立つ 外国人患者対応マニュアル』
会話例が載っているのでクイックレスポンス
の教材になります。
問診票などの書類がダウンロード
できるので、おすすめです。
『東大病院発 医療スタッフのための英会話』
頻発する院内での会話フレーズを
英語で学ぶことができるので、
クイックレスポンスに活用できます。
総合案内窓口から、
看護師、薬剤師、臨床検査技師、
放射線技師、作業療法士、歯科衛生士と
患者さんの間で交わされる会話が
幅広く載っています。
厚生労働省と経産省のHPで無料で
入手できる文書を使って、
クイックレスポンス教材を
自作するのもおすすめです。
厚生労働省のテキスト「巻末:単語集」はこちら↓
経産省の日英併記検査説明書「外国人患者受入に関する多言語フォーマット例」はこちら↓
診療科別にまとめたクイックレスポンス教材はこちら↓
その他、Suzyおすすめテキストはこちらをご覧ください↓
クイックレスポンスに必要な道具
- スマホのボイスレコーダーアプリ(ボイスメモなど)に自作した音源
- 耳と口
自分で録音した教材なので、
もうすでに対訳を覚えているかもですが、
読み上げた単語や文章は、
付箋なので印をつけたり、
スプレッドシートなどにまとめて、いつでも
読み返せるようにしておきましょう。
クイックレスポンスの方法
- 自作音源を聞き、直後に対訳を発声する
- メモ無、即座に発声(間を置かない)
- スクリプト(文字)を見ない
迅速なアウトプットを心がけましょう。
家事や通勤中など隙間時間で「ながら学習」をする
ときは、頭の中でクイックレスポンス
したり、聞き流しでもOKですよ。
クイックレスポンスを行う環境
- ながら学習なら、家事・通勤中などの隙間時間でもOK
- 本気トレなら、声が出せる環境で
AirPodsとマスクをつけていれば、
歩きながらでも声を出せるので
私はウォーキングをしながら
クイックレスポンスを行いました。
イヤホンはワイヤレスが絶対おすすめです♪
クイックレスポンスのコツ
教材を自作(録音)する時のコツ、3つ
- 日本語と英語を必ず対で作成する(答えが次に聞こえてくるようにする)
- 日本語と英語の間に、「再生時に答えを言う間」を空ける(毎回音源を一時停止する手間を省く)
- なるべく一問一答にする(迷いを無くす)
実は私は、最初このトレーニングを
あんまりやっていなくて、
行き当たりばったりで
通訳していたんですね。
その状態で2次試験を受けて、
初回は落ちました。
そこで勉強方法を見直して、
クイックレスポンストレーニングを
しっかり行うことにしました。
日課にしていたウォーキングで
音楽を聞くのをやめて、代わりに
自作のクイックレスポンス音源を
聞くようにしました。
そうすると、自然と表現方法を暗記します。
通訳の際に訳出を考えるのではなく、
定型文をパッと言えるようになったんです。
どういうことかというと、
それまでは様々な言い方の中から
どれを使うか毎回迷っていました。
例えば、
「本日はどうなさいましたか?」の表現は、
- How can I help you today?
- What brings you here today?
- What seems to be the problem today?
などいくつかあります。
「造影剤」ひとつとっても、
- contrast media
- contrast medium
- contrast agent
- contrast material
など呼び方は複数あります。
クイックレスポンスでは、
この複数の表現の中からどれか一つに決めて
反復練習して暗記します。
もちろん、他の表現も知っておくべきです。
ただ、あなたが通訳する時は一つに
決めておくと、迷わずスムーズに
通訳できるのです。
成熟した医療通訳者は様々は表現方法を
身につけていると思いますが、
それは今後の目標にしましょう。
まずは医療通訳2次試験に合格するために
一問一答で!
クイックレスポンスのまとめ
- クイックレスポンスの目的・メリットは、定型文を覚えるため、反応力・瞬発力を身につけるため、音源を自作して発音矯正、気軽に練習できること。
- クイックレスポンスの教材の作り方は、単語や表現をピックアップし、スマホのボイスレコーダーアプリに「日本語」→「答える間」→「英語の対訳」を、又は「英語」→「答える間」→「日本語の対訳」の順番で録音し、音源に分かりやすいタイトルをつける。
- クイックレスポンスに必要な道具は、スマホに自作した音源と耳と口。
- クイックレスポンスの方法は、自作音源を聞き、直後に対訳を発声する。メモもスクリプトも無し。
- クイックレスポンスを行う環境は、ながら学習なら、家事・通勤中でもOK。本気トレなら、声が出せる環境で。
- クイックレスポンスのコツは、音源を日本語と英語必ず対で録音し、「再生時に答えを言う間」を空け、一問一答で作成する。
クイックレスポンスに 使える医療英会話の本 | ポイント |
『やさしい英語で外来診療〜 聞きもらしのない 問診のコツ』 | 医療従事者の 思考がわかる。 |
『高山赤十字病院 編 医療現場ですぐに役立つ 外国人患者対応マニュアル』 | 書類を ダウンロードできる。 外国人患者受け入れの 病院側の努力がわかる。 |
東大病院発 医療スタッフのための英会話 | 外来〜入院〜 リハビリまで 幅広くカバー。 |
『医療通訳に関する資料 テキスト「医療通訳」 全ページ版』厚生労働省HP | 無料 |
外国人患者受入に関する 多言語フォーマット例 経産省HP | 無料 |
いかがでしたか?
クイックレスポンスを繰り返し行って
いくと、最初はなかなか出てこなかった
単語やフレーズも暗記でき、
すぐに出てくるようになります。
諦めずに頑張って下さい。
あなたがクイックレスポンストレーニングを
しっかり行って、自信を持って2次試験に
臨めるようになれればいいなと思います。
医療英語がバンバン聞けるSuzyおすすめの海外YouTubeチャンネルリストは、こちらから↓
Suzyおすすめの医療英語に関する参考書はこちら↓
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました♪
コメント