こんにちは。
現役医療通訳士Suzyです。
今回は、医療通訳の方法「逐次通訳」の
スキルを上げるトレーニングの一つ、
「リテンションとパラフレージング」について
お伝えします。
このトレーニングを行うことで、
英語脳(直接英語で考える癖)が
鍛えられます。
英語脳が鍛えられたら、
医療通訳面接2次試験
(ロールプレイ)に役立ちますよ。
英語脳を鍛えて、医療通訳試験合格を目指しましょう!
リテンションとは「記憶の保持」のことで、
私たちは日頃から会話の中で
自然に行っています。
パラフレージングとは、
意味を変えずに別の単語やフレーズを使って
「言い換える」ことです。
パラフレージングの簡単な例
原文:「元気がない」 not feeling well
↓ ↓
言い換え:「無気力」 lethargic
*頭で映像を浮かべることがポイントです。
以前の記事
お伝えしたように、
特にリテンションは、
医療通訳試験を目指す方だけに限らず、
「話聞いてる?」と指摘を受ける方や、
「さっき何の話してたっけ?」と
記憶が曖昧になる方にも、
ぜひ行っていただきたいトレニーングです!
また、医療通訳試験のリスニングや
2次試験に不安を持っている方は、
このトレーニングを行うことで、
英語脳が鍛えられ、自信を持って
試験に臨むことができるようになります。
医療系YouTube動画もご紹介しますので、
参考にして頂ければ嬉しいです。
リテンションとパラフレージングが
しっかりできるようになると、
直訳ではなく自然な訳出が
できるようになります。
パラフレージングを極めると、
英語脳になっていきます。
ぜひ、日頃から取り入れてみて下さい。
では、解説していきますね♪
リテンションとパラフレージングの目的
リテンションとパラフレージングの
トレーニングの目的は、
- 記憶力、理解力、語彙力、表現力を身につけるため
です。
先に述べたように、パラフレージングとは
「言い換え」です。
そもそもどうして言い換えをする必要が
あるのかいうと、
直訳では伝わらない表現や、
対象言語にない言葉を表現する時に
必要になってくるからです。
要するに、リテンションと
パラフレージングの目的は、
「話者の話を正確に記憶して、
表現力を駆使して相手に伝わりやすい
別の表現に言い換えるため」と言えます。
パラフレージングを楽に行うためには、
原文を元に頭の中で絵や映像を想像する
ことがコツです。
例えば、「お薬は一回、一目盛り飲んで
ください」を訳す場合、
直訳しようとするとなかなかうまく
英語が出来ませんよね。
そこで行うパラフレージングは、
- 計量カップを想像
- それを英語で説明
“Please take the correct dose each time which would be the first line of the measurement cup.”
このように、日本語を直訳するのではなく、
日本語で聞いた状況を想像してそれを英語で
説明する感じで訳すと、スッと出てきます。
これを繰り返していると、
だんだん英語脳になってきます。
2次試験では基本的に聞き返しNG
(減点対象)なので、
一度で聞き取れるようにトレーニングする
必要があります。
ここでリテンションのスキルが
生きてきます。
しかも、面接試験って本当に
緊張しますよね。
日頃できていたことが、
緊張してできなくなってしまう
こともあります。
私は、2種類の医療通訳試験の二次試験が不合格に
なったために、トータル4回も受けました。
あなたには私のようになって欲しくないと
思っています。
なので、ここでお伝えするトレーニングを
日頃からしっかり行ってください。
その努力を行ったとうい事実が、
あなたに自信を与えてくれます。
地味なトレーニングからコツコツと
行っていくと、
スキルはもちろん、自信もつきますので
諦めずに楽しみながら行っていきましょう!
リテンションとパラフレージングに必要な道具
リテンションとパラフレージングに
必要な道具は、
- 耳と口
- 医療系YouTube動画などの音源(音声のみで可)再生用デバイス
- (ながらトレーニングなら)イヤホンやヘッドホン
- (本気のトレーニングなら)自分のリプロダクションを録音できるデバイス(アプリなどの音声録音機能)
数単語ならいいですが、
センテンスほどの長さになると自分が
正確にパラフレージング出来ているか
確認するのが難しくなります。
後で詳しくお伝えしますが、
答え合わせをしっかり行う
「本気のトレーニング」の場合は
デバイスが2台あると楽です。
デバイス1台で音源を再生し、
すぐに自分の音声を録音出来るなら
(リテンションした内容を
忘れそうですが)、1台でもOKです。
詳しくは、この後の「リテンションと
パラフレージングの方法」の下の方で
お伝えします。
医療系YouTube動画の音源を使って
トレーニンする場合は、アカウントを
取得してあなた独自のプレイリストを
作成しましょう。
プレイリストの名前は
- 「日本語リテンションとリプロダクション/パラフレージング」
- 「英語リテンションとリプロダクション/パラフレージング」
などにすると分かりやすいです。
リプロダクションとは「再現する」
ことです。
リプロダクションも通訳トレーニングの
一つです。
同じ音源を使って行うので、
名前をつけるときは上記のようにするのも
ありです。
「リテンションとリプロダクション」の記事はこちらをご覧ください。
YouTube活用方法などを解説した記事は、こちらをご覧ください。
Suzyおすすめの日本語の
医療系YouTube動画は、
- 『福島ドクターズTV』(YouTube内で検索すると出てきます)
- 『聖隷浜松病院チャンネル』
シャドーイングと違い、
声のプロがナレーションを行う
動画でなくてもOKです。
英語の医療系YouTube動画は、
がおすすめ。
楽しくトレーニングを行いたい方は、
『Doctor Mike』のYouTubeチャンネルが
特におすすめです。
シャドーイングの記事はこちらをご覧ください。
YouTubeの活用方法に関しては、こちらをご覧ください。
リテンションとパラフレージングの方法
リテンションとパラフレージングの方法は、
- 音源を聞いたら、わざと音源を止めて(リテンション)、同義語に言い換え(パラフレージング)する
- 日本語の音源を聞き、日本語で再現(日→日)
- 英語の音源を聞き、英語で再現(英→英)
まずは訳すというストレスがない状態で
行っていきます。
つまり、日本語を聞いて日本語を、
英語を聞いて英語を、別の表現で
言い換えてみましょう。
リテンションとパラフレージングの
トレーニングは、本来なら「ながら」では
行えません。
しかし、あなたには日頃から気軽に
トレーニングして欲しいので、
Suzyは「ながら」をおすすめします!
口パク程度の軽いトレーニングなら、
家事をしながらや通勤中にイヤホンを
つければ全然大丈夫です。
日常生活の中にリテンションと
パラフレージングを取り入れて下さい。
この場合、答え合わせは無視です!
とにかくトレーニングすることが大事です。
センテンスごとなど多くの音を一気に
リテンション(記憶保持)
できるようになると、
自分が正確にパラフレージング
(言い換え)出来ているか確認するのが
難しくなります。
それを確認できるのが、スマホやタブレットの
「音声録音機能」です。
本気のリテンションとパラフレージングの
方法(答え合わせ)は、
- PCから流れるトレーニング音源を聞く
- 音源を止める(リテンション)
- スマホの音声録音機能を使って自分の音声(パラフレージング)を録音
- 自分のパラフレージングを再生し、正確な言い換えが出来ているかを答え合わせ
もう一つ、音声文字起こし機能を使って
答え合わせを行う方法もあります。
しかし、Suzyはあまりおすすめしません。
なぜなら、正確にパラフレージングが
出来ていても、音声が正確に文字起こし
されない場合があるからです。
ただし、自分の音声を聞くのが
苦手な方は、音声録音機能の代わりに
文字起こし機能を使って、
答え合わせするのもありです。
日→日、英→英のリテンションと
パラフレージングに慣れたら、
- 日本語→英語
- 英語→日本語
と、訳していきましょう。
もちろんメモ無、そのまま再現します。
原稿(トランスクリプト、スクリプト)も
見ないので英語のリスニングが
しっかり出来ている必要があります。
イヤホンを使用する場合は、
ワイヤレスが絶対おすすめです♪
日本語の医療英語が苦手な方は、日本語医療系YouTubeを使ってシャドーイングを行うと良いですよ。
リテンションとパラフレージングの量
リテンションとパラフレージングの量は、
- 30秒〜60秒の音源(練習したい部分だけ再生)
- 最初は2単語、3単語
- 慣れたら1センテンス、2センテンス、3センテンス
- 難しい医療英単語が出てきたら1単語で止めてもOK
です。
通訳スキルのトレーニングは、
毎日30分を目標に行うことを
おすすめします。
リテンションとパラフレージングを行う環境
先ほどもお伝えしましたが、
リテンションとパラフレージングの
トレーニングは、本来なら「ながら」では
行えません。
しかし、気軽にトレーニングする
ことが大事なので
- 家事をしながら
- 通勤中
などをおすすめします。
正確な答え合わせは出来ませんが、
日頃からリテンションとパラフレージング
の癖をつけるようにしましょう。
本気のリテンションとパラフレージングの
トレーニングの際は、
- 集中して音源が聞ける環境
- 周りを気にせず発声出来る環境
- 自分の音声を録音(答え合わせ)が出来る環境
が必要です。
リテンションとパラフレージングの次に行いたいトレーニング
リテンションとパラフレージングの
次に行いたい逐次通訳の
スキルトレーニングは、
- 高速リスニング
- クイックレスポンス
- サイトトランスレーション
- ノートテイキング
などです。
「リテンションとパラフレージングは
卒業した!」、
「2次試験までに時間的に余裕がある」
という方は、1から4の全てを同時に
少しづつに行っていくと効果的です。
「2次試験までに時間がない!」
という方は、もっと実践的なトレーニング
である、2番以降のクイックレスポンス、
サイトラ、ノートテイキングに焦点を
絞って行うと良いでしょう。
その際は、生の題材である医療英語の
音源や資料を使って行ってくださいね。
余裕がある方は、以前お伝えしたオーバーラッピングやシャドーイング、リテンションとリプロダクションも継続していきましょう↓
リテンションとパラフレージングのコツ
ここまで読んでいただいた方はもう
お分かりだと思いますが、リテンション
(記憶の保持)がしっかり出来ていないと、
パラフレージング(言い換え)は
出来ませんよね。
リテンションありきです。
まずリテンションが出来るように
なることが大事です。
リテンションとパラフレージングの
コツとしては、
- 情報を耳で聞き、頭で想像(映像化)して記憶
- 頭の中の映像を呼び起こし、同義語又は表現を工夫して言い換える
- 日頃から友人や家族、同僚との日常会話をこっそりリテンションしてみる
- テレビやラジオのニュースやコマーシャルが聞こえてきたら、リテンションしてパラフレージングする
特別なことだと思わす、
日頃からリテンションとパラフレージング
を行う癖をつけておきましょう。
また、映像化したものを英語で説明する
癖がつくと、だんだん英語脳に
なってきます。
リテンションとパラフレージングのまとめ
まとめると、以下のようになります。
- リテンションとパラフレージングの目的は、記憶力、理解力、語彙力、表現力を身につけるため。
- リテンションとパラフレージングに必要な道具は、耳と口、音源再生用デバイス、「ながらトレ」ならイヤホンやヘッドホン、「本気トレ」なら自分の声を録音できるデバイス。
- リテンションとパラフレージングの方法は、音源を聞いたら、音源を止めて、同意語で言い換える。まずは日→日又は、英→英。慣れたら日→英又は、英→日へ訳出してみる。
- リテンションとパラフレージングの量は、最初は2単語、3単語。慣れたら1センテンス、2センテンス、3センテンス。
- リテンションとパラフレージングを行う環境は、「ながらトレ」ならどこでもOK。「本気トレ」なら自分の声が録音(答え合わせ)できる場所。
- リテンションとパラフレージングの次に行いたいトレーニングは、2次試験までに時間があるなら、全部少しずつ行う。時間がないなら、クイックレスポンス、サイトトランスレーション、ノートテイキングを集中的に行う。
- リテンションとパラフレージングのコツは、映像で記憶する、日常生活の中に取り入れる。
いかがでしたか?
リテンションとパラフレージングを
行うことで、記憶力と表現力がアップし、
さらには自然な表現を心がけるようになり、
英語脳を鍛えることが出来ます。
それを医療系の音源を使って行うと、
医療英語が覚えられるため1次試験対策
にもなります。
慣れてきたら、パラフレージングを
対象言語で行うこと(訳出し)に
チャレンジしましょう。
間違っても大丈夫!
どんどん口に出していきましょう。
特別なトレーニングと思わず
リラックスして日常的に行うと、
勉強感が無くおすすめです。
最初は難しいかもしれませんが、
諦めずに頑張って続けてみて下さい。
あなたがリテンションとパラフレージング
のトレーニングをしっかり行って、
自信を持ってリスニングや2次試験に
臨めるようになれればいいなと思います。
2次試験までに時間がない方にオススメ、クイックレスポンスに関してはこちら↓
独学でもしっかり答え合わせができるSuzyの勉強法、サイトトランスレーションはこちら↓
Suzyおすすめの医療英語に関する参考書はこちら↓
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました♪
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