こんにちは。
現役医療通訳士のSuzyです。
今回は、独学でやれる
「サイトトランスレーション
(サイトラ)」についてお伝えします。
「サイトラ」は文章を読んで
その場で即座に訳していくトレーニングです。
目で見た情報を対象言語に変換するので、
「通訳じゃなく翻訳じゃないの?」って
思いますよね?
でも実は、サイトラは、
私が実際にやって格段に「逐次通訳」のスキルが上がったと実感できたトレーニングなんです!
なので、これもあなたには絶対に行って欲しいトレーニングです。
サイトラをしっかり行うことで、
あなたも医療通訳2次試験に
自信が持てるはずです。
では、解説していきますね♪
サイトトランスレーションの目的・効果
一般的な目的は、
「英語を読みながら英語の語順をそのまま
スムーズに理解できるようになること」
となどと言われています。
しかしここで行うサイトラは、
ちょっと違います。
なぜ独学でもできるのかというと、答えがある教材を使うから。
しかも無料!
後で詳しく説明しますが、
Suzy独自の勉強法では、
ネットから無料で入手できる「日英併記・対訳がある文書」を使って
「日本語から英語」に訳していきます。
もし日本語に訳すのが苦手な人は、
ここで紹介する方法の逆
「英語から日本語」に
訳すことを行って下さいね。
サイトトランスレーションの方法(独学のための)
- 日英併記や対訳がある検査同意書や医療系文書を準備する(「日英併記・対訳」=「答え」がある)
- 日本語パラグラフを前から順にスラッシュを入れて訳出(発言)する(スラッシュリーディング)
- (任意)自分の訳出を録音する
- (任意)録音した音声を再生し、対訳と照らし合わせて答え合わせする
サイトラは、
「ながらトレ」はできません。
常に「本気トレ」になります。
3. と4. は任意ではありますが、
自分の声を聞いて発音や喋り方の癖を
チェックするのはとても勉強になります。
ぜひ一度は自分の訳出(発声)を
録音してみてください。
日本語訳を練習したい方は、
「英語から日本語」に訳してみましょう。
答えがある教材を用いるため、スラッシュリーディングの具体的な方法は割愛します。
スラッシュリーディングの方法も紹介して欲しいというリクエストが多ければ、記事を書こうと思います♪
サイトトランスレーションに必要な道具
- 目と耳と口と手
- 日英問診票・日英検査説明書・患者用医学文献(対訳あり)など
- ペン
- (任意)スマホアプリなどの録音機器(ボイスメモ)
下準備
- 厚生労働省や経産省のサイトから日英併記問診票や検査説明書など気になる文書PDFを印刷。
- または、MSDマニュアル家庭版サイト「病気を調べる」のタブから気になるトピックを選択→言語を変更し日本語と英語をそれぞれ印刷。
特にサイトトランスレーションに
おすすめなのが、
病気の説明が書いてあるMSDマニュアル
です。
家庭版がおすすめですが、
医療者向けのサイトやアプリもあります↓
サイト上での言語の切り替えがスムーズで、
しっかり翻訳されているところが
素晴らしいです。
切り替える際に別のページに飛んだり
レイアウトが全く違ったりと
いうことがなく、
シームレスでとても閲覧しやすいです。
なので、MSDマニュアルの資料を使って
サイトトランスレーションを行った後に、
日英共にすぐに答え合わせができます。
教材選びのポイント
- 厚生労働省や経済産業省のサイトの中から文書を選ぶ。
- 英語音声で答え合わせがしたい場合は、『MSDマニュアル』の日本版YouTube動画を活用。
厚労省や経産省のサイトは独学で
学習する上でとても役に立ちます。
そこに掲載されている日英併記文書の
翻訳クオリティはとても高いです。
安心して活用できます。
一方、様々な病院のホームページや
その他サイトにも日英併記の記事を
見かけますが、残念ながら安心できるほどの
クオリティではありません。
もし厚労省や経産省以外のサイトから
記事や文書を教材として利用する場合は、
気をつけてください。
『MSDマニュアル』の日本版
YouTube動画には英語音声に日本語字幕が
付いています。
教材として使用する場合は、
- 動画音声をオフにして日本語字幕をサイトラし、
- 自分の音声を録音します。
- 答え合わせは、自分の音声と動画の音声を比べます。
(PCで動画再生、スマホで自分の音声録音)
Suzyおすすめの参考書もあります♪こちらをご覧ください↓
厚生労働省模擬通訳演習を英訳してみました♪よかったらこちらも活用してみてください↓
サイトトランスレーションを行う環境
- メモが取れる所
- 発声・音声録音できる所
サイトラは、「ながらトレ」が
できないので、やる時は常に
「本気トレ」です。
自分だけの場所と時間を確保しましょう。
サイトトランスレーションの量
サイトラは、
「ながらトレ」ができないので、
いつも忙しいママさんは、工夫が必要です。
自分の時間を持つのがなかなか
難しいとは思いますが、
「早起きして朝の5分間」、
「ランチ後の5分間」、
または「夕食後の5分間」など
少しでもいいので時間を決めて
毎日行うことで確実に実力が身に付きます。
どうしても難しければ「1週間に3回」など
毎週必ず数回は行いましょう。
試験間近になってきたら毎日行うと
実力はもちろんですが、自信がつきますよ!
サイトトランスレーションのコツ
- 最初は訳をどんどん発言し、自然な英語にならなくても気にしない(クイックレスポンスの応用)
- まずは簡単な問診票などからはじめてみる
- 慣れてきたら2次試験で出てそうな(実践的な)検査の説明書や、MSDの医学トピックに挑戦
- ポイントとなる単語を自分なりに見極めて取り漏らすことなく訳出
2次試験の面接では緊張するものです。
できるだけ冷静に対応できるように、
日頃からサイトラの練習時点で、
ポイントとなる単語に
赤丸をつけるなどして、
取り漏らすことなく確実に訳出する癖を
つけるといいと思います。
例えば、
- 「母も兄も同じような症状があります。それは遺伝でしょうか?」
- “My mother and brother both have the same symptoms. Is it hereditary?”
の場合、ポイントとなる単語は
「遺伝」”hereditary”ですよね。
そこをしっかり訳出出来なかったら減点です。
私は2次試験の時に「免疫」”immunity”
という英語がすぐに出てこなくて
悔しい思いをしました。
トレーニングの時からポイントとなる単語を
意識していると、取り漏らしを無くす
ことができると思います。
サイトトランスレーションのまとめ
- サイトトランスレーションの目的・効果は、医療英語に訳すコツを掴むこと。
- サイトトランスレーションの方法は、日英併記の検査同意書などの日本語文書をスラッシュリーディングで訳し、英文を見て答え合わせする。
- サイトトランスレーションに必要な道具は、目と耳と口と手、日英併記文書、ペン。
- サイトトランスレーションを行う環境は、メモが取れる所、発声できる所。
- サイトトランスレーションの量、毎日最低5分間。無理なら1週間に3回以上。最後の追い込み時期は毎日行う。
- サイトトランスレーションのコツは、問診票などからはじめて、慣れたら検査説明書を訳出。ポイントとなる単語を見逃さないように赤丸をつける。
いかがでしたか?
サイトトランスレーションは
文章を見ながら訳すので、焦らず
正確に訳出できますよね。
英訳するコツをしっかり掴むためには
とても有効です。
最初は訳に自信がないかもしれませんが、
答えがあるので大丈夫!
どんどん口に出していきましょう。
諦めずに頑張って続けてみて下さい。
あなたがサイトトランスレーションを
しっかり行って、自信を持って
2次試験に臨めるように
なれればいいなと思います。
医療英語がバンバン聞けるSuzyおすすめの海外YouTubeチャンネルリストは、こちらから↓
Suzyおすすめの医療英語に関する参考書はこちら↓
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました♪
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