こんにちは。
現役医療通訳士のSuzyです。
ノートテイキングって本当に悩みますよね。
私は最初何をどうして良いか
全く分かりませんでした。
ノートテイキング方法はネットで見つかるのですが、
ノートテイキングの「練習方法」が分かりませんでした。
2次試験に落ちた後、通訳学校に通い
ノートテーキングの練習方法の
ヒントを得ました。
今回はそこで学んだことをお伝えします。
Suzy独自の記号・略語も紹介しますので、
ぜひ活用してください。
これを読んでノートテイキングを
マスターすれば、
あなたも医療通訳2次試験に
自信を持って臨めるはずです。
ノートテイキングは、
2次試験で評価されますので、
しっかり練習しておきましょう。
ノートテイキング以外におすすめの
実践的な逐次通訳のトレーニングは、
「クイックレスポンス」と
「サイトトランスレーション」です。
気になる方は、以下をチェックしてください↓
では、解説していきますね♪
そもそもなんでノートテイキングが必要?
- メモは記憶を呼び起こす材料
- 覚えられない数字や固有名詞、初めて聞いた単語などを記録
ノートテイキングの目的は、
「記憶を呼び起こす」ことです。
通訳時は、話の内容を理解し、
状況を想像して映像で記憶します。
その記憶を呼び起こす手掛かりになるのが
ノートに書いたキーワードです。
とにかくメモを取ればいいのではなく、
必ず話の内容を理解してからメモします。
数字や固有名詞、初めて聞いた単語は
覚えられないので、必ずメモしましょう。
ノートテイキングの練習に必要な道具
- ノートテイキングに使用する自分なりの記号・略語
- ペン
- サイトラで使用した原稿や医療通訳に関する資料 一覧、2.テキスト「医療通訳」「第3部 通訳実技 通訳実技」52ページ以降の「模擬通訳演習Ⅱ(診療科)英語」にある医療者と患者の対話(印刷したもの)
- オーバーラッピングやシャドーイングで使用したYouTube動画
- メモ用紙
- 目と耳と口と手
実際に通訳に出向くときは、
クリップボードを使います。
自分のお気に入りのものがあると
気分が上がります♪
ノートテイキングの記号・略語
私が実際に使用した記号・略語です。
この記号・略語が、あなたにしっくり
くるならぜひ使ってください。
正解や不正解はありませんので、
あなたが自由に決めて覚えやすいものを
使って下さい。あまりたくさんあっても
覚えられないので、使用頻度が高いものを
選んで覚えましょう。
ノートテイキングの練習方法(3ステップ)
ここで紹介する方法は、
私が通訳学校で学んだことを
ヒントに編み出したものです。
いい方法だと思ったら
ぜひ活用してください!
練習に入る前に、
まず下準備をしましょう。
練習の下準備①:何をメモするのか
- 固有名詞(医師名・薬の商品名など)
- 数字、日時、曜日、単位など
- 初めて聞いた単語
実際の通訳の際は、
難しい内容では無い限り、
上記のキーワードをメモしておけば
事足ります。
また、ノートテイキングが追いつかなくても
医師や患者に聞き返すこともできます。
しかし、2次試験の面接の際には、
聞き返さないためのノートテイキング
スキルを身につけておきましょう。
何をメモするかある程度把握できたら、
次に自分なりの記号・略語を決めましょう。
練習の下準備②:ノートテイキングに使う自分だけの記号・略語を決める
上でご紹介したSuzyの記号・略語を
自由に使ってもらって良いですよ。
もし、しっくりくる記号・略語が
決まらなかったら
「通訳 ノートテイキング 記号」で
画像検索してみてください。
たくさん出てきます。
例えば、男性・女性などの記号は、
「男」「女」と漢字で書くのもありですし、
♂♀ でも良いですよね。
書きやすい方を選んでください。
記号・略語がある程度決まったら、
いよいよ練習開始です。
まずは文章を見ながらスタート!
ステップ1 文字で練習:音読しながら記号・略語を書く
次に、サイトラで使用した文書
(日英両方印刷したもの)を準備し、
文章を音読しながらノートテイキングの
練習をします。(ここではまだ訳出不要)
理由は2つあります。
なぜ「文書を準備する」かというと、
どの単語を記号・略語にすると良いのかを、
焦らず自分のペースで確認するためです。
いきなり音声を聞いて練習するより、
慌てずゆっくり時間をかけて練習することが
できますよね。
次になぜ「音読をする」かというと、
医療用語(日本語・英語両方)の発音練習を
兼ねているからです。2次試験の面接時には、
耳と手をフル活用するので、同時に動かす
練習をしておきましょう。
訳出はしなくても良いですが、
慣れてきたらノートテイキングしながら
サイトラを行ってもいいです。
日本語文章を使ったノートテイキング「練習方法」
- キーワードをマークする
- マークしたキーワードに自分なりの記号や略語を書き込む
- 文章を読みながら記号・略語を別の紙に意味が通じるように書き写す
- 書き写した記号・略語を見ながら日本語で再現(発声)して、原文と同じ内容になるか答え合わせする
慣れたらサイトラして訳出してもいいですね。
ステップ2 音声で練習:単語・フレーズをノートテイキング(訳出なし)
文書のノートテイキングに慣れたら、
いよいよ音源を使ってトレーニングです。
- シャドーイングやパラリーディングの音源(YouTube動画)を聞きながら、ノートテイキング
- 最初は数センテンスごとに音源を止めて正確に記憶しているか、メモが取れているかを確認するために音源の言語で(訳出せずに)再現(発声)
「ながらトレ」として、
YouTubeで医療系動画を観ながら
軽くメモを取るのも
いい方法だと思います。
ステップ3 音声で練習:「本気トレ」のノートテイキングで訳出する
慣れてきたら、音源を聴きながら
ノートテイキングをして、対象言語に
訳出してみてください。
ノートテイキングの方法
- 内容を理解してキーワードを記号・略語を使ってメモ
- 文章でメモしたり、発話全てをメモしようとしない(リテンション力を活用し映像で記憶)
- 一旦区切りがいいところで通訳
- 通訳が終わったら、メモの最後に横線を引いて線の下から次の内容をメモ
- 通訳セッション終了後、患者さんの個人情報保護の観点から、メモはシュレッダー
逐次通訳のノートテイキングは、
自分がメモを見てしっかり通訳できて
いればいいので、やり方は人それぞれです。
残念ながら、通訳学校に通っても
医療通訳養成講座を受講しても、
ノートテイキングのやり方を
手取り足取り教えてもらえません。
自分で慣れるしかありません。
2次試験面接までに間に合うように
余裕を持って練習に取り組みましょう。
ノートテイキング練習の量
- 毎日5〜20分、毎日です!
短い時間でいいので、毎日練習しましょう。
ノートテイキングは評価対象ですので、
毎日練習を行うことが大切ですよ。
一日20分できればいいですね。
隙間時間に文書上のトレーニングだけでも
いいので、少なくとも毎日5分は
最低確保しましょう。
慣れてきたら、リテンションを活用して
長めの音源のメモ取りに
チャレンジしてみて下さい。
試験前になったら、
音源を聞いて「本気トレ」で。
ノートテイキングの練習を行う環境
- 記号・略語を覚えるだけなら、通勤中の電車の中などで「ながらトレ」
- 「本気トレ」なら、机があり音声が聞ける場所、集中できる場所を確保
ママさんなら毎日20分朝早起きして、
家族がまだ寝ている時間を狙って
練習してみるのもいいですね。
私は、試験前の追い込み時期は、
早めに出勤して職場で毎朝20分
勉強していました。
朝に勉強することは本当におすすめです。
朝勉強しておくと、その日一日
スッキリとした気持ちで過ごせます。
朝イチで終わらせておくと、
やらないとけないことに追われないので、
気持ち的にも余裕が出て
自分に自信がつきます。
ノートテイキング練習方法のまとめ
まとめると、以下のようになります。
- ノートテイキングの目的は、記憶を呼び起こすため。
- ノートテイキングに必要な道具は、記号・略語、教材(文書とYouTube動画)、メモ用紙、ペン、目と耳と口と手。
- ノートテイキングの記号・略語は、使用頻度が多いものなど自分なりに決める。
- ノートテイキングの練習方法は、3段階。文書を音読しながら練習。音源を使って、訳出なしの練習。慣れたら「本気トレ」で音源をノートテイキングして訳出。
- ノートテイキングの方法は、話の内容を理解してキーワードをメモ取り。訳出終わったら横線を引き次の内容へ。セッション終了後シュレッダー。
- ノートテイキングの量は、毎日5〜20分。
- ノートテイキングを行う環境は、記号・略語を見て覚える「ながらトレ」なら通勤中でOK。「本気トレ」なら音源が聞けてメモが取れ集中できる場所で。
いかがでしたか?
ノートテイキングは記号・略語を
効果的に活用して、とにかく
練習あるのみです。
例えば職場で電話対応をするときに、
練習と思って上手にメモを取るように
日頃から鍛えておくのも良いですね。
よく使う記号や略語をしっかり覚えて
本番に臨みましょう。
最初は難しいかもしれませんが、
諦めずに頑張って続けてみて下さい。
あなたがノートテイキングの練習を
しっかり行って、自信を持って2次試験に
臨めるようになれればいいなと思います。
「ノートテイキングはもう卒業した!」
という方はこのトレーニングは飛ばして、
もっと実践的なトレーニングである、
クイックレスポンスやサイトラなどを
ぜひ行ってみてください。
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Suzyのリアルなお仕事を詳しく書いた記事は、こちら↓
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました♪
コメント
このサイトを参考にさせていただき、日本語音声のノートテイキングは少しずつできるようになってきたのですが、英語音声の場合は全くノートテイクが間に合いません。結果的に、ロールプレイをしても英語→日本語の通訳のほうができていません。
日本語より、理解するのに時間がかかっているのか、英語を聞いても記号をメモするのに時間がかかり、音声についていくことができません。この場合は、まずリスニングの練習に時間を割いたほうが良いのか、英語の文章でのノートテイキングを練習すべきでしょうか?
ゆうさん
ノートテイキングは記憶を呼び起こすための補助と考えられています。私の場合、数字など正確に記憶できないものやキーポイントをメモし、あとは想像力を働かせて頭の中の映像を通訳するようにしています。ゆうさんのやり方とは違うかもしれませんが、まずは英語リスニングをやってみて映像が浮かんでくるか確かめてみるのもいいかもしれません。リスニング力がある程度向上したら、文字でのノートテイキング練習を始めると良いのかなと思います。
ご丁寧にありがとうございます。映像化ですね。やってみます。